如月の味
ごきげんよう、こうやです。
月が、変わりましたね……信じられない……
なるべく季節を大事にしていきたいと思いつつ、過ぎ去る日々の速さについていけておりません。しくしく。
そんなわけで、季節を感じられる機会をなるべく大切にしようと思っているのですが、わたしにとって月が変わることを実感できる何よりの素材は。
ここでした。
高田馬場駅から南へ歩くと、戸山公園の北側にちょこなんと佇んでいるオレンジコートというショッピングモール。
昔ながらの商店街をマンションの地上階にくっつけたような、そんな場所の一角に、わたしが愛してやまないお店はあります。
その名も「こく~ん」さん。
ここで出される月替わりのティーセットが、わたしにとって一番の「月日の変化」を感じられるものなのです。
パティシエールのご店主が、師匠たる熊崎俊太郎さんのブレンドした「フィーユ・ブルー」の紅茶を相手にさらに一段と深く、いえ高く昇り詰めていくセットを作り上げる。
毎月、その関係を味わえる至福に、心を温かくしています。
今月のティーセットは「イチゴとシューとパリパリチョコのミルフィーユ仕立て」。
セットの紅茶はアリアです。
このミルフィーユ、ふわっふわのイチゴのムースの間に、落書きみたいな一筆書きの格子模様なさくさくシュー生地と同じく格子柄のパリパリチョコレートが挟まっていて、スプーンを入れた手もおいしくなる食感の違いを堪能できます。
アリアはミントとラベンダーの香るフィーユ・ブルーさんでも人気のブレンドで、先日限定復活したもの。わたしの記憶よりもいっそうミントとラベンダーが明るく香り、なおかつお茶の味自体は滋味深くなったような……気がします。
立春を控えて浮き立つようなお菓子に吹き抜ける春の風のような……そう、ベルばらにおけるロザリーのような!ただ可憐なだけでない、しゃんと芯のあるおいしさでした。
レギュラーメニューもどれもおいしいのですが、月のティーセットと季節のワッフル、時期限定のティーメニューなどの限定ものに目が行きがちになってしまうのも仕方ないところ。
こく~んさんのすべてを堪能するためには、とにかく通って端からいただくしかないのです。
はふぅ、今月も、がんばれます……(*´ω`*)
かなしかったこと
朝は元気いっぱいだったラナンキュラスたち。
帰宅したら首が折れていたこと。
まだ満開でなかったので、短くしてお皿に浮かべてみたけれど、あまりに儚い命だったのでさみしい。
かなしかったこと。
おうどんが食べられるような大きめのお丼を探していて、とある雑貨屋さんでたまたま見つけたのが、家で重宝している食器と同じシリーズのお丼でした。
内側にデザインが入ったものが欲しかったのでそのときは見送ったのですが、他にちょうど良いものもなく、外側のデザイン自体は好みだったので数日後に買いに行ったら、もうなくなっていました。
それでも諦めきれず、別デザインのお丼を買おうかとと悩んでさらに数日後にお邪魔したら、最初に欲しかった子が復活していて。
大喜びで買って、ていねいに持って帰って、さあ使うぞとまず洗おうとした瞬間に。
手を滑らせて、割ってしまいました。
何日も何日もかけて手に入れた子だったので、しかも一度も使わなかったので、さみしい。
翌日お店に行ったら、その大きさのお丼自体がありませんでした。
さみしい。
自分の迂闊さが、さみしい。
かなしかったこと。
人と分かり合えなかったこと。
かなしかったこと。
たくさんある気がするけれど、書いているうちに、楽しかったことにどんどん塗り替えられていくことに気がつきました。
数えられる程度のかなしかったことで良かったのかもしれません。
さて。
本でも読んで、気分を晴らして、明日に向けてがんばります。
月曜日:睦月後半のお花
一気に寒くなりましたね。
昨年中はエアコン無しで乗りきれたものの、連続して訪れる寒波に負けて最近はすっかりエアコンのお世話になっています。
ごきげんよう、こうやです。
追加の本棚が到着するまで、しばし書房の整理はお休み。
そんななか、お花を新しくしたのでお披露目です。
ラナンキュラス2種類。
お花屋さんにラナンキュラスやスイートピーなど、見た目に愛らしいパステルカラーのお花が増えてくると、春が近い気がしますね。
まだこれから本当の春の到来までは、遠いけれどもね……(;´∀`)
左側のラナンキュラスは、紫がかったピンク色のまだらが印象的で可愛らしく、一目惚れ。
花芯が黒々と目立っているのも好みでした。
まして、「シャルロット」と銘打たれていた日には……お迎え待ったなしですよね。
八重咲きのアネモネみたいな雰囲気がたまりません。
右側のラナンキュラスは、金鳳花科の雰囲気がよく出ているころんとボールめいたフォルムが印象的。
黄緑色と紫色のだんだらという、毒々しげな色味なのも気に入りました。
細長い一輪挿しに投げ入れて、すっとした佇まいを楽しみます。
長持ちしていた薔薇は、傷んだ茎を短く切ってキッチンへ。シンク上のキッチンフラワーとして飾っているのですが、まだ満開の豪華さが残るので、一気にキッチンが華やぎました。
お花は良いですね。
これからのイベントは、節分にバレンタイン、桃の節句……
さて、どんな風に飾りつけしようかしら。
悩みどころたくさんです。
水曜日:マリメッコ展
シフトの都合でやってきた、たまの平日休み。
平日と休日で露骨に違うといえば美術館の人混み、ということで、意気揚々と混雑必至なお目当ての展覧会に足を運びました。
正しくは、足を運ぼうと駅に向かいながら、ふと思いついて念のためとホームページで開催概要を確認しました。
よりによって、お休みの曜日でした。
……ほう……?
思わず足を止めてしまうほど驚いたのですが、それはそれで仕方ありません。
もうひとつ、近々に行こうと思っていた展覧会はありますが、朝のんびりしすぎて今からだと次の予定までの間に充分楽しめないかも。でもたっぷりインプットするモードだったので何かは観たい。
どうしよう。どうしよう。
そこで手帳を確認し、向かったのは渋谷。
Bunkamuraミュージアムで2月12日までやっている、「マリメッコ展」に、行ってきました。
そもそもマリメッコがどういう会社なのかも知らず、マリメッコといえばウニッコくらいのイメージしかありません。
こんなぼけぼけ疎いわたしでも楽しめるのか、若干懸念しつつ向かいましたが。
結論から言うと、なかなか面白く過ごすことができました。
マリメッコ展のポスター2種。かわいい!
元々はファブリックをデザインし、その生地をもとにシンプルだけれど大胆な洋服を作っていったのが、マリメッコなのだとか。
マリメッコの歴史と活躍したデザイナーの経歴を、彼女らのファブリックデザインやそれを用いたドレス等もあわせて展示していました。
何より、広くて天井も高い美術館の壁にかけられたファブリックの存在感がとても良い。
活躍している方の大半が女性で、女性が女性から自由になれる服やデザインを生み出していたのだということが分かります。
日本人もふたり参加していましたが、どちらも男性だったのは、なんとなく思うところがあったりなんて。日本では男女雇用機会均等法すらなかった頃、海外でデザイナーとして活躍することへのハードルはさぞ高かったのでしょう。
男女の働き方や福祉、ライフスタイルなどにおいて憧れられることの多い北欧を、そんなことからも真似ていければいいのかな。
ファブリックデザインの渦に飲み込まれ、このモチーフのポストカードやマスキングテープがあったらどの柄を買うかしらと意気込みつつミュージアムショップに向かったら、そういった類のものは一切ありませんでした……そうか……
せめて布があれば、とも思ったのですが、そんな余裕は受け入れ側にもありませんものね。仕方ない。
好きなデザインを胸に秘めて、ふわふわと会場を後にしたのでした。
はじめましてのご挨拶
みなさまごきげんよう。
いえ、はじめましてと言ったほうが良いかもしれません。
ようやっと什器の大半がそろい、ひと息つけるようになったので、記録を残す元気が湧いてきました。
この街にはない夢の場所。
家よりもくつろげて、本屋さんよりもときめけて、喫茶店よりも没頭できる。
そんな場所が欲しくて、世界の片隅に、小さな場所を見つけました。
そこでつらつらと、思いのままに、記録を残していける、雑記帳としてこのブログを使えたら、と思っています。
まだ夢の場所。
でもいつか、実現したい場所。
その名前を、今は「夜灯書房」(よあかりしょぼう)と呼んでいます。
このブログ、では、つれづれに綴るよしなしごとや、感銘を受けた本やものごとなど、のんびり書いていくつもり。
そんなわけでまずはお目見えのご挨拶。
これからどんな風にしていくか、それは……これから、おいおい、考えます。
申し遅れました。
わたしは、夜灯書房の灯し手、こうやと申します。
以後お見知り置きを。